ちゅうそん看護師のつぶやき&勉強ノート

日々のつぶやきや勉強したことを書いていきます。

新型コロナ 無症状で病院内に入り込む可能性

こんばんは。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、最近驚くニュースを見かけました。

1つは、4月16日のニュースで、ニューヨークの病院で手術を受ける妊婦にPCR検査をしたところ、無症状な人でも一定の割合で陽性だったことです。

 

https://forbesjapan.com/articles/detail/33830/1/1/1より。以下抜粋です。
出産のためコロンビア大学メディカルセンター入院する女性たちは、症状の有無にかかわらず、全員がCOVID-19の検査を受けている。
調査は2020年3月22~4月4日に同センターで出産した215人の女性を対象に実施した。女性たちのうち4人(2%未満)に発熱その他のCOVID-19が原因と疑われる症状があり、検査の結果、4人全員が陽性であることが確認された。

一方、興味深いのは、症状がなかった210人の女性たちに関する調査結果だ。綿棒を使って鼻から検体を採取して検査したところ、このうち29人が陽性と判定された。
そのほか、最初の検査で陰性だった女性が出産後に発熱。当初の検査から3日後に検査を行ったところ、陽性となった例が報告されており、この女性については、最初の検査で偽陰性となっていた可能性が指摘されている。
陽性で無症状だった女性は、調査対象者の約13.5%だった(陽性で症状があった人は1.9%、陰性だった人は84.6%)。

この結果から考えると、4月16日の時点のニューヨークでは、1割程度は無症状でも新型コロナ陽性の人が入院している可能性がある。そして、入院後発熱など症状が出て、周囲にうつり、院内感染となる可能性がある。

市中の感染が拡大していけば、いずれ院内で発熱や呼吸器症状が出現する患者さんに出会うことになると考えられる。

 

もう1つは、4月21日のニュースで、慶応大学病院で術前や入院前のPCR検査で無症状でも一定数の陽性患者がいたという報告。

http://www.hosp.keio.ac.jp/oshirase/important/detail/40171/より。以下抜粋です。

4月13日から4月19日の期間に行われた術前および入院前PCR検査において、新型コロナウイルス感染症以外の治療を目的とした無症状の患者さんのうち5.97%の陽性者(4人/67人中)が確認されました。これは院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があり、感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要があると考えております。

 

これらのことから、やはり日本でも一定の割合で無症状の新型コロナ陽性の方がいて、その人たちが入院してくることが考えられます。

 

ここで、これらの検査結果について、PCR検査の感度と特異度から考えたいと思います。

PCR検査の感度は70%、特異度は90%程度もしくは90%以上と考えられているようです。そのためPCR検査は、特異度が高く、陰性の人を正しく陰性と診断する検査と言えることになると思います。

感度からは、新型コロナの人に検査をすると、7割陽性となり、3割は偽陰性(本来は陽性であるのに、陰性と判定されてしまう)となる。

特異度からは、新型コロナでない人に検査をすると、1割未満は偽陽性(本来は陰性なのに、陽性と判定されてしまう)となり、9割以上陰性となる。

以上のことから、本来陽性の人が陰性となっている方が少なからずいる可能性が考えられるので、ニューヨークでは、215人中に少なくとも33名、慶応大学病院に来た患者さんは、67名のうち少なくとも4人は新型コロナ陽性の人が含まれていたと考えられそうです。

日本で院内感染が増えているのは、知らずのうちに新型コロナ陽性の方が院内に入り(患者さんの場合もあれば医療従事者の場合もありそうです)、病院内で症状が出て周りにうつっている可能性が考えられます。

やはりこのウイルス、抑え込むのが非常に難しいと思われます。

確か京都大の医師が入院前のPCR検査を保険適応にするよう申し出ていたり、医療従事者にPCR検査をする必要性を訴える人がいたのは、院内感染を防止するためなのでしょう。

自分が思いついたのは、患者さんに入院後3日目ぐらいまではマスクをしてもらうことと、入院直後の患者さん用の部屋を作り、3日経っても症状がでなければ転床可能とすることでしょうか。

いずれにせよ、もうしばらく外出を避けて気を付けて行動していかないといけないですね。